2006 Fiscal Year Annual Research Report
看護業務におけるリスク回避教育プログラムの開発とその効果測定
Project/Area Number |
17530450
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
臼井 伸之介 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (00193871)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太刀掛 俊之 大阪大学, 人間科学研究科, 助手 (90379222)
和田 一成 平安女学院大学, 短期大学, 講師 (50413331)
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Keywords | ヒューマンファクター / ヒューマンエラー / 看護 / 医療事故 / 安全教育 / リスク / 事故防止 / 教育プログラム |
Research Abstract |
平成18年度研究の概要は以下の通りである。 1.効果測定に用いる質問紙の作成 前年度調査で使用した質問紙の質問項目に、新たな項目を加えた「看護上の安全についてのアンケート調査」質問紙を作成した。新たな項目とは「インシデント発生要因に関する質問」(作業中に発生したインシデント事例内容について、その発生要因となりうる項目を回答者が同定する。全21問)、「危険予測に関する質問」(作業中の写真やイラストを提示し回答者はそこに含まれる危険要因を箇条書きで記す。全2問)である。 2.リスク回避教育の実施 前年度調査で、経験4-6年の看護師の安全意識が低下していることが示されたため、本年度はそれら看護師を対象にリスク教育を実施した。リスク教育は1回2時間の教育を計4回実施した。教育内容は、1回目:医療におけるミス・ヒヤリハットを防ぐ講義、2回目:危険予知訓練実習(グループ実習>3回目:ヒューマンエラー体験実習(グループ実習)、4回目:インシデント事例分析(グループ実習)である。研修生は経験4-6年の看護師31名であった。教育の前後および3ヶ月後に、ほぼ同一内容の質問紙調査を実施し、教育の効果およびその持続性について調査した。 3.質問紙結果の分析 上記質問紙調査結果を分析した。今年度追加した質問項目については、危険源の同定数および記述数が教育前より有意に増加した。またその他に、前年度新人を対象にした教育では効果が見られなかりた、リスク認知に関する質問や、看護場面での安全に関する質問項目で成績が有意に向上し、教育の効果が確認された。 4.作業の中断に関する実験および質問紙調査の実施 看護業務中の中断によるエラーを防止するため、現在その対策としてA病院で実施されている中断カード(作業中断時にし忘れを防ぐために、各自が持ち運ぶカード)システムの有効性および使用実態を実験・調査した。実験では看護師11名を対象に、また質問紙調査は看護師70名を対象に実施した。
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Research Products
(7 results)