2006 Fiscal Year Annual Research Report
エイズ患者との共生およびエイズ感染予防を促進するエイズ教育用教材の開発
Project/Area Number |
17530451
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
深田 博己 広島大学, 大学院教育学研究科, 教授 (10112161)
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Keywords | 集合的防護動機モデル / 不適応的対処 / 共生行動生起過程モデル / AIDS教育 / PWH / A / 共生行動意思 / PWH / Aに対する態度 |
Research Abstract |
研究2-4では、集合的防護動機モデルの枠組みから、AIDS教育がHIV感染への不適応的対処に及ぼす影響を、「3種類のAIDS教育と性別→集合的防護動機モデルの仮定する8種類の認知要因→HIV感染への不適応的対処4種類」という影響過程モデルに基づいて分析したが、一部の不適応的対処で弱い影響過程が確認されるにとどまった。研究3-1では、AIDS教育がPWH/A(HIV感染者・AIDS患者の総称)との共生行動意思に及ぼす影響を検討するために、403名の大学生を対象に質問紙調査を実施し、383名から有効回答を得た。「3種類のAIDS教育と性別→3種類のAIDS知識→6種類の認知要因と2種類の感情要因→PWH/Aとの共生行動意思」という一連の影響過程を仮定する「PWH/Aとの共生行動生起過程モデル」を新たに提案し、このモデルに基づいて分析を行った。その結果、当初予測していたモデルとは異なり、「3種類のAIDS教育と性別→3種類のAIDS知識と2種類の感情要因→6種類の認知要因→PWH/Aとの共生行動意思」という影響過程が判明した。また、共生行動意思を直接規定する認知要因に強い影響を及ぼしていたのは「PWH/Aへの共感感情」であり、AIDS教育によって知識を向上させるだけでなく、共感感情を高めるような取り組みが必要であることが示唆された。研究3-2では、AIDS教育がPWH/Aに対する態度に及ぼす影響を検討するために、上記のデータを利用し、「3種類のAIDS教育と性別→3種類のAIDS知識と2種類の感情要因→6種類の認知要因→PWH/Aに対する態度」という影響過程を検討した。その結果、第3ステップの認知要因がPWH/Aに対する態度を規定するのではなく、第2ステップの2種類の感情要因(特にPWH/Aへの共感感情)がPWH/Aに対する態度へ直接的な大きな影響力を示した。
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Research Products
(2 results)