2005 Fiscal Year Annual Research Report
環境コミュニケーションにおけるリスク表現及び情報源の曖昧性の説得効果への影響測定
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17530462
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Research Institution | Tokyo Jogakkan College |
Principal Investigator |
広田 すみれ 東京女学館大学, 国際教養学部, 助教授 (90279703)
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Keywords | リスク・コミュニケーション / 信憑性 / リスク表現 / 説得効果 / 曖昧性 / コンフリクト |
Research Abstract |
リスク情報の伝達において情報源の信憑性とメッセージ表現を変化させ、説得効果への影響を検討した。今回は環境コミュニケーションという非日常的なメッセージ使用の事前検討として、日常的なレストランの評価を読む状況を用い、実験参加者は質問紙に示されたレストランに関する専門家の評価を読み、行きたい程度などの評価を行った。 信憑性の要因は2次確率で表現可能な曖昧状況として捉えて操作し、(1)リスク-コンフリクト(リスク条件/評価者間の評価差10%のコンフリクト小条件/評価差50%のコンフリクト大条件)、(2)評価者数(ペア1条件:評価者が1ペアか1名/ペア3条件:3ペアか3名)、(3)評定の平均確率の高さ(70%/30%)の3×2×2の組合せ計12のレストランを評価する参加者内要因として操作した。メッセージ表現は1)確率条件:%の数値、2)図示条件:10の白い星☆のうち、お勧めの程度を星の黒く色で塗って提示、のいずれかの参加者間条件で行われた。実験参加者は大学生187名(男136,女51;年齢平均19.5歳、SD1.93歳;確率条件94,図示条件93)であった。レストランに行きたい程度を従属変数とした一般線型モデルの分析により、表現(Ms=7.804>Mp=4.353条件,p<.001)、平均確率の高さ(MH=6.412高>ML=2.745,p<.001)、リスク-コンフリクト条件(リスクMr=4.096,コンフリクト小Ml=4.785,コンフリクト大Mh=4.853,p<.001)、評価者数(評定ペア1条件M1=3.908,ペア3条件M3=5.249,p<.001)の全要因が1%水準で有意な影響を与えていた。また表現とリスク-コンフリクト条件(コンフリクト条件でS条件はP条件に比べ表現の影響が強い)、表現と評定者数の交互作用(評定者が多いと表現の効果が拡大)がいずれも1%で有意であった。このように、図示表現は数値より説得効果が大きく、特に情報源が複数あるいは対立して曖昧性の高い状況で効果が大きいことが明らかになった。
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Research Products
(1 results)