2006 Fiscal Year Annual Research Report
介護看護等の対人援助活動における「適切さ」に関する研究
Project/Area Number |
17530463
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Research Institution | CHUBU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
松浦 均 中部大学, 人文学部, 助教授 (90257577)
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Keywords | 援助行動 / 援助者 / 被援助者 / 介護看護経験 / 感情 |
Research Abstract |
1.援助行為についての援助者側と被援助者側との認識の違いについての研究 同じ援助場面でも,援助者と被援助者とで状況分析が異なることを実証した.援助者側の方が状況を軽く見ているが,援助者の行為について被援助者側は好意的に評価していることが明らかとなり,援助場面における両者の関係性を記述することができた.さらに状況認識の相違について,パーソナリティ変数を入れて再分析した結果,一部パーソナリティの影響が明らかになった.これにより,援助場面において,援助者が行う援助が,必ずしも被援助者に対する適切な援助につながっていない可能性があることが示唆されたと言える.本研究については,2006年12月刊行の東海心理学研究第2巻,pp3-19.に掲載された. 2.大学生の介護看護場面における感情について 援助者-被援助者関係に関する研究として,介護看護場面における両者の感情の錯綜について検討した.大学生を対象として,介護や看護の経験をたずね,その際の相手に対する感情状態をたずねた.さらに相手が援助者である自分に対してどのように感じているか推測させた.とくに後者の相手の感情の推測は難しく,援助場面における戸惑いが現れている.これにより,援助者側である介護や看護の立場にある者が,被援助者側の感情状態を推測することの難しさが示された.被援助者側の感情状態をどのように的確に読み取っていくかというスキルについては今後の検討課題である.本研究のデータについては,日本社会心理学会第47回大会にて学会発表した.日本社会心理学会第47回大会発表論文集pp.548-549に掲載.
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