2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17530466
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
間宮 正幸 北海道大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (70312329)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 康雄 北海道大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (20171803)
|
Keywords | 教育系心理学 / 軽度発達障害者 / 青年期 / 「自己」の発達 / 教育的支援 / ライフサイクル |
Research Abstract |
研究代表者・間宮正幸は、申請書の「研究計画」に従い、前任地に赴いて過去に相談援助にかかわった軽度発達障害者の生活とそれを支援する人々に面接を行い、また、彼らの成長を示す資料の収集に努めた。また、自己形成の実質が歴史的、社会文化的にわが国と非常に異なるフランスをはじめとするヨーロッパ諸国における軽度発達障害者の教育的支援に関する資料、及び「自己」研究に関する文献資料を収集した。第46回日本教育心理学会総会準備委員会企画シンポジュウム(「現代社会における子どもの「自己」の発達」)における報告をもとに、これらの調査成果を吟味して検討を加え、加筆して学術誌に投稿した(研究発表欄参照)。 さらに、北海道長沼町において関連の調査を行った。この地域において幼少期からおよそ20年にわたって教育を受け、軽度発達障害者として生活している人々とその家族に面接を行い、「自己」の発達に関連する資料を収集した。この長沼町調査は、2006年3月に論文として刊行された(研究発表欄参照)。 研究分担者・田中康雄は、軽度発達障害者のライフサイクルを視野に入れた治療と教育的支援に強い関心をもって臨床的資料を収集してきた。平成17年度に、実際に精神科医師として40名以上の青年期軽度発達障害者の診療・面接を行い、彼らの適応障害の問題を自己評価・自己認知の側面から検討した。その成果を、日本LD学会その他の学会で報告し、また論文・出版物として公にした(研究発表欄参照)。 これらの研究から、軽度発達障害者の青年期以後の人生において、あるいはライフサイクルを視野にいれた治療及び教育的支援を考えるに際して、「自己」の問題は重要な位置をしめることが示されている。引き続いて、調査や臨床面接による研究を行う必要がある。
|
Research Products
(13 results)