2005 Fiscal Year Annual Research Report
小学校の中学年から中学校1年にかけての学習動機の発達的な変化に関する縦断的研究
Project/Area Number |
17530467
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
臼井 博 北海道教育大学, 教育学部・札幌校, 教授 (90070119)
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Keywords | 学習動機 / 達成目標理論 / 学校移行 / 学校適応 |
Research Abstract |
研究初年度の今年は、小学校3年から6年までの横断的なサンプルに基づき、小学校の中学年から高学年にかけての学習動機と学校適応、中学校への学校移行における心理的な準備状態についての発達的な変化を明らかにすることであった。また、生活時間(起床、夕食、就寝、学習)についても調べた。それから、研究計画の申請時には単一の地域の小中学校のデータであったが、今回の調査では人口約8,000人の農村地域も加えることができたので、都市と農村部との地域差についても分析の対象とすることが可能になった。実際のデータ収集は、当初の計画を拡大し、小学校のこれらのサンプルに加えて中学校の1,2,3年生の生徒の協力も得ることができた。したがって、小学校の中学年から中学校3年生までの広範囲の発達的なデータを得ることができた。科学研究費の補助金の交付決定が平成17年10月末という事情のために、調査のための準備期間を経て、小学校4校と中学校2校に調査依頼を行ったのは平成18年2月に入ってからであった。そのために、現在は約1,300人の児童・生徒の質問紙に対する回答のデータ入力をすべて終了してはいないが、これまでの暫定的な分析により次のような結果を得ることができた。 一つに、学習動機については、小学校の4年間においても徐々に下降する傾向が見えた。具体的には、他者との比較や競争を避けようとしたり、自分の能力不足を隠そうとする遂行回避動機が年齢とともに増大の傾向があり、学業成績の自己評価ではその反対に下降傾向があった。また、生活時間に関しては小学校から中学校にかけて目立った変化があった。たとえば、就寝時間に関しては、中学生になるとかなり遅くなっていた。 なお、これらのデータについてはさらに分析を進め、今年9月の日本教育心理学会において発表予定である。
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