2007 Fiscal Year Annual Research Report
青年期におけるアイデンティティ形成・変容過程に関する総合的研究
Project/Area Number |
17530474
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
杉村 和美 Nagoya University, 発達心理精神科学教育研究センター, 准教授 (20249288)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溝上 慎一 京都大学, 高等教育研究開発推進センター, 准教授 (00843656)
中間 玲子 福島大学, 人間発達文化学類, 准教授 (80343268)
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Keywords | 教育系心理学 / 青年期 / アイデンティティ / 自己 / 発達 |
Research Abstract |
本研究は、アイデンティティは自己と他者の関係の認識によって成り立つという関係性の観点に立ち、アイデンティティがどのようなメカニズムで形成・変容するのかを明らかにする。具体的には、(1)近年の認知発達論を援用して、アイデンティティを、構造的特徴を持つ内的な抽象と見なし、関係性の観点から見たアイデンティティ形成・変容のメカニズムを解明する枠組みを構成する(研究1)。(2)短期の縦断研究により青年のアイデンティティの形成・変容過程を明らかにする(研究2)。(3)大学生に焦点を絞ってアイデンティティ形成・変容を促すための方法を検討し提言する(研究3)。 研究1では、第1に、アイデンティティ形成・変容のメカニズムを記述する枠組みとして、Fischer,K.およびKegan,R.の理論的枠組みの有用性について検討し、これらを用いた事例の記述を行った(Sugimura,2007)。第2に、青年のアイデンティティ形成・変容過程と社会との接点の問題として、アイデンティティの二重形成プロセスモデルを提案した(溝上,2007;Mizokami,2007)。 研究2および研究3では、大学の授業における他者との対話を通した学習過程を取り上げて、アイデンティティ形成・変容に関する短期縦断研究(実践研究)を実施した。その結果、第1に、自己の視点と他者の視点の協応にはいくつかの方法があることが明らかになった。第2に、日常的に繰り返される自己の視点と他者の視点の協応の経験が足場となって、アイデンティティの発達的変容が起こる可能性のあることがわかった。第3に、これらの結果から、アイデンティティ形成・変容を促すためには、青年が発達的変容に結びつく協応の仕方をとることをサポートする必要があることが示唆された。
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Research Products
(3 results)