2005 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者用空間的視点取得能力スクリーニング検査の作成と評価
Project/Area Number |
17530476
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
渡部 雅之 滋賀大学, 教育学部, 助教授 (40201230)
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Keywords | 空間的視点取得 / 高齢者 / スクリーニング検査 / 脳卒中後遺症 / 空間認知 |
Research Abstract |
空間的視点取得能力のスクリーニング検査として必要とされる,基本仕様の策定を行った. まず,検査手続きに関する仕様を定め,これに基づいて検査の実行と結果の記録を行うコンピュータプログラムの作成を専門的知識を要する業者に委託した.また,ノートパソコンだけで検査ができる簡便性が研究目的の1つであったので,タッチパネル搭載のノートパソコン(NEC VersaPro)を購入した。完成した検査機器を用い,児童から高齢者までの健常者6名と脳卒中後遺症群の8名に協力を依頼して,試験的に検査を実施した.なお,患者群の協力依頼にあたり,片木脳神経外科医院の片木良典氏と石川王泰氏に,共同研究者に近い立場として今後とも参画いただくことになった.また、片木良典氏には脳外科医として医学的観点から、石川王泰氏にはリハビリテーションの専門家としての見地から、それぞれ助言を頂く予定である。 結果の分析からは、以下のことが明らかとなった. (1)検査の反応指標として、2種類の反応時間が有効であること (2)これらにおける健常の目安はいずれも1秒以内であること (3)臨床的所見と検査から判定された認知レベルとはよく一致すること このことより,今年度試作した検査が,研究目的とする「高齢者用空間的視点取得能力スクリーニング検査」として十分に機能するものであると確信した. 同時に,いくつかの課題も明らかとなった。特に,認知症患者等を対象とする場合に,現行の検査手続きでは難しすぎることがわかったので,この点については次年度に向けて,仕様の改訂とコンピュータプログラムの新規作成を進めていくことにする.
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