2006 Fiscal Year Annual Research Report
学校と家庭の連携にもとづく子どもの社会性育成を目的とした心理教育プログラムの効果
Project/Area Number |
17530479
|
Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
小泉 令三 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (90195644)
|
Keywords | 社会性 / 情動 / 心理教育プログラム / 児童・生徒 / 学校 / 家庭 |
Research Abstract |
本年度は4年計画の2年度であり,以下の3点のような実施結果であった。 1.社会性と情動の学習(SEL)プログラム導入 子どもの社会性育成を目的としたSELプログラムの小学校低・中・高学年用プログラムを,前年度に引き続き公立小学校1校の1年〜6年の全学年(全18学級)で実施した。その際,前年度は1授業時間単位の単発的な授業実践であったが,本年度は道徳や特別活動等との関連づけを行って実施した。また,保護者授業参観日にSELプログラムの授業を公開したり,学級通信等を用いたりして,保護者との連携を図るようにした。ただし,約10ヶ月のプログラム実施後,プログラムを実施しない統制校との比較を行ったところ,児童の自己評定および教師評定のいずれでも,結果は学年間で必ずしも一致していなかった。その原因として,児童の社会性に関する当初の個人差によって,プログラムの学習効果が異なることが推測された。教育課程への位置づけ,授業者(学級担任)の研修,そして家庭との連携と合わせて次年度の課題の一つとなった。 2.目標の個別化と組み合わせたSELプログラム実践 公立小学校の第2学年の1クラスで,試験的に児童一人ひとりの社会性について,担任教師が目標値を設定し,保護者と連携を図りながらSELプログラムを道徳や特別活動等と関連づけて実施した。その結果,児童の行動の教師評定において,期待された成果が見られる部分があった。他学年への実践の展開が今後の課題であると考えられる。 3.SELプログラム開発 上記1と2に関連して,小学生用プログラムと道徳や特別活動等と関連づけた授業案を複数試作した。また,中学1・2年生用のSELプログラムの作成をほぼ終えることができた。 以上の研究成果の一部を国内学会および国際学会で発表し,同時に今後の研究推進のために関連資料の収集を行った。
|