2008 Fiscal Year Annual Research Report
学校と家庭の連携にもとづく子どもの社会性育成を目的とした心理教育プログラムの効果
Project/Area Number |
17530479
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
小泉 令三 Fukuoka University of Education, 教育学部, 教授 (90195644)
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Keywords | 社会性 / 情動 / 心理教育プログラム / 児童・生徒 / 学校 / 家庭 |
Research Abstract |
本年度は4年計画の最終年度であり,以下の4点のような実施結果であった。 1社会性と情動の学習(Social and Emotional Learning:SEL)プログラム開発 前年度までに作成を終えた小学生用SELプログラムと中学生用SELプログラムに,学習教材や資料を追加して,より実用性を高めた。 2小学校でのSELプログラム実践 公立小学校の3〜6学年を対象に,SELプログラムとボランティア学習を関連づけて大単元を構成し,導入・実践・評価を実験法を用いて行った。児童一人ひとりの社会性について予め担任教師が目標設定を行い,プログラムを6ヶ月間実践した結果,未実施の統制校と比較して,自己評定で社会性や有用感が高まっていた。なお児童の自己評価と,日常の学校生活にもとつく児童の相互評定との相関は高く,行動面での変容が推測された。 3中学校でのSELプログラム実践 公立中学校の2年生を対象に,SELプログラムと一連の学校行事を関連づけて,事例研究法による導入・実践・評価を行った。生徒一人ひとりの社会性について,予め担任教師が目標設定を行い,3ヶ月間実践した結果,当初社会性の自己評価の低かった生徒について,社会性向上の効果が確認された。 他の公立中学校で,社会性の育成及び学校行事を中心とした全校の特別活動について,家庭へのアンケート調査の実施とその方法を工夫した。その結果,保護者から高い評価を得るとともに,調査自体が学校での取組と保護者との連携促進の効果を持つことが推測された。 4成果の発表 前年度及び本年度の研究成果や,研究実施の過程で開発した尺度について,国内外の学会や論文で発表した。
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