2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17530482
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
池邨 清美 北海道医療大学, 心理科学部, 教授 (80201911)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 茂 北海道医療大学, 心理科学部, 教授 (90183516)
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Keywords | 保育所児 / 愛着 / 愛着表象 / 養育行動 / 気質 |
Research Abstract |
本年度は研究の準備段階として0歳児の母子関係について予備調査を行った。また、研究に必要な備品をそろえたり、測定に必要な技術の習得を行った。特に愛着表象と愛着関係の測定方法について習熟するために、家庭保育児において資料を収集し、それらの尺度のわが国の乳児での妥当性の検証を試みた。 その結果、愛着表象と愛着関係の両尺度ともわが国の乳児に対して用いることが可能であることが分かったが、従来の研究と同様、愛着パターンの出現頻度はわが国特有の偏りが見られた。また、親の愛着表象にはDismissingが多い一方で、子どもにはAvoidantの愛着パターンは見られないことが分かり、欧米での結果と異なるものであった。今後、保育園児においても同じ傾向が見られるのか、保育者との関係でも同様であるのかが興味深い点が浮かび上がった。 なお、保育園児に対して、協力して頂ける保育所における保育士との勉強会を行うと共に、1歳になった保育園児と保育士の愛着関係を数名、予備的に測定した。その結果、家庭での母子関係とはまったくことなる様相が見られ、かつ、保育体制によって愛着の形成のされ方がかなり異なることが分かった。今後、保育士の愛着表象や子どもの気質だけでなく、保育体制のあり方を要因として取り入れるべきであることが明らかとなった。 今年度はあくまで予備的研究であり、得られた知見は暫定的なものであるが、次年度より本格的に研究を開始して、成果を挙げる予定である。
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