2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17530482
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
池邨 清美 北海道医療大学, 心理科学部, 教授 (80201911)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 茂 北海道医療大学, 心理科学部, 教授 (90183516)
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Keywords | 養育者 / 愛着 / 養育行動 / 乳児 / 保育所 / 気質 / 愛着表象 |
Research Abstract |
本研究の一つ目の目的は、保育所と家庭の両方における養育者に対する乳児の愛着の形成過程を明らかにすることである。そのため、長時間のビデオ撮影を定期的に行い、行動観察を行った。その結果、乳児の愛着の形成過程そのものに時期的な差異はみられず、保育所児においても保育士に対する愛着が家庭と同じように形成された。しかし、用いる愛着行動には差異があり、保育所では泣きによって養育者との行動を調節することが多くみられた。また、保育所では養育者は主として世話に関する行動に従事し、遊び的な要素を入れて関わることが少なかった。 本研究のもう一つの目的は、乳児の保育士と母親に対する愛着を比較することである。そのため、設定場面での相互作用の観察や愛着Q分類法による愛着の評価を行った。その結果、同一の保育士であっても子どもが示す愛着の質は実に様々であり、保育士の養育行動の敏感性との対応がみられなかった。一方、母親との愛着では、母親の養育行動の敏感性が非常に強く関連した。同じ乳児の保育士と母親に対する愛着は類似する傾向にあり、保育所での保育士への愛着は母親に対して形成された愛着を反映している可能性があると言える。ただし、現在のところ、事例数が少ないため、今後さらに事例を増やして検討する予定である。
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Research Products
(2 results)