2005 Fiscal Year Annual Research Report
感情制御の社会化プロセス-文化間要因と個人間要因の交差的研究-
Project/Area Number |
17530485
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Woman's Christian University |
Principal Investigator |
平林 秀美 東京女子大学, 文理学部, 助教授 (90261718)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
唐澤 真弓 東京女子大学, 現代文化学部, 教授 (60255940)
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Keywords | 感情制御 / 社会化プロセス / 子ども / 文化 / 個人 / 実行機能 / 行動制御 / 養育態度 |
Research Abstract |
本研究の目的は、子どもが自己の感情をどのように認識し、それを制御するのかについて、その社会化プロセスを明らかにすることである。子どもの行動と親の養育態度を測定し、文化間比較を行うことにより、感情制御の社会化プロセスで、文化間要因と個人間要因がどのように交差し影響しているのかを明らかすることを試みる。個人間要因として、子ども自身の感情制御能力、子どもの感情状態、親の養育態度、子どもの気質などの測定を行い、文化間要因として、日米で同一の方法で子どもの感情制御能力を測定するとともに、文化的資源としての幼稚園環境と絵本やビデオの分析を行う。 本年度は、日米で綿密に研究打ち合わせをした上で、研究1:子どもの感情制御を中心とした自己制御の測定(課題を与えて、子どもの行動を観察)と、研究2:親の養育態度と子どもの気質などの測定(調査)の準備を進め、予備研究を行った。その結果、日本では3歳児でも認知制御(実行機能)はある程度可能であるが、行動制御および感情制御の面で困難が生じること、5歳児は3歳児に比べて行動制御および感情制御の面が発達していることが明らかになった。また、自己制御課題において、文化的な配慮が必要であることがわかった。日本の子どもとアメリカの子ども、さらに並行してデータを収集する中国の子どもに共通の課題を設定するために、コンピュータ上のゲームを考案し、作成した。こうした予備研究を行ったことによって研究実施上の改善点が明らかになり、より適切な比較文化研究を実施する準備が整った。次年度早々に本研究を実施する予定である。当初の予定よりも遅れたことは否めないが、比較文化研究を実施する上で必要な措置であったと考える。
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