2005 Fiscal Year Annual Research Report
高次脳機能障害にかかわる言語障害評価と教育支援:評価支援一体化ソフトウェアの開発
Project/Area Number |
17530497
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokai Women's University |
Principal Investigator |
中川 佳子 東海女子大学, 人間関係学部, 講師 (50389821)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 高正 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (20143703)
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Keywords | 教育系心理学 / 発達障害 / 教育支援 / 発達支援 / 言語発達 / 言語発達支援 / 文法発達尺度 / 高齢者 |
Research Abstract |
日本語における文法理解の発達水準を評価し、言語に障害のある幼児や児童、高齢者や失語症者の文法理解力を評価するための日本語版文法理解テスト(J.COSS ; JWU, Japanese Test for Comprehension of Syntax and Semantics)を1997年より開発し、現在第三版が完成している。このテストは、原著TROG(Bishop,1989)と欧州各国語版L'E COSSE(Lecocq,1996)をもとに、日本語独自の項目や問題を追加し、新たなイラストを採択して製作したものである。このJ.COSSを用いて、幼児や児童を対象に文法理解力を評価した結果、文法20項目の発達順序と平均獲得時期が示された。また、高齢者を対象に加齢と知的機能障害による影響を文法機能別に検討した。そして、この幼児期から児童期、ならびに老齢期にかけての文法理解の生涯発達過程をもとに、発達障害児と失語症者、高齢者を対象に文法理解力の評価と障害領域の特定、障害の特異性を検討した。その結果、発達障害児では、授受関係の理解が困難な傾向が認められた。そこで、理解が困難な項目に対して、誤反応分析を行い、どのように文を誤って解釈しているかという文理解の様相を検討し、能動文から受動文理解までを数段階にわけ、J.COSS第三版を加工した教育的支援課題を実施した。その結果、授受関係の理解が促進され、日常生活への般化が示された。また、高次脳機能障害者全体に共通して、日本語の特質である助詞の理解が困難な傾向にあった。そこで、J.COSSの絵を加工した授受関係支援課題を実施して、対象者の理解に向上がみられた。このように高齢者と発達障害者を対象として文法理解力を評価し、誤反応分析から理解促進に向けた教育的支援課題を開発し実施した。この評価と支援を一体化したソフトウェアを現在政策中である。
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Research Products
(3 results)