2005 Fiscal Year Annual Research Report
児童虐待等の被害経験が成人期女性に及ぼす影響に関する研究
Project/Area Number |
17530518
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
藤野 京子 早稲田大学, 文学学術院, 助教授 (10386568)
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Keywords | 児童虐待 / 親からの不適切な扱い / 成人女性 / 被害 / 加害 / DV |
Research Abstract |
児童期に親から受けた不適切な扱い(身体的暴力あるいは心理的暴力)の影響は、その不適切な扱いを受けている最中にとどまらず、その後の生活にも影響を及ぼすことが推測される。先行研究からは、例えば、不適切な扱いを受けた人は、後続の生活においても親以外からの被害に会いやすいこと、また反対に、不適切な扱いを受けた体験をもとに自らが類似の行動を他者に行いやすいこと、などが言及されている。 そこで、本研究では、まず、都内在住の5,000名の30歳台女性を対象に、郵送法による質問紙調査を実施することで、上記の点を明るみにすることを試みた。質問紙調査の質問内容は、親からの不適切な扱いの内容、現在までの異性との関係(DVの被害や加害を含む)、現在までの子供との関係(子供への不適切な扱いを含む)等であり、児童期の親から受けた不適切な扱いと今日までの生活状況との関係、また、その不適切な扱いの否定的影響を促進する要因及び抑止する要因を明らかにするべく作成した。 加えて、上記質問紙調査の回答者のうち、児童期に親から不適切な扱いを受けたと回答し、かつ、面接調査に協力してもよいとの意向を示した女性を対象に、児童期に親から受けた不適切な扱いの実態及び原因、その経験が及ぼした影響及びその経験に対する現在のとらえ方、その経験をどのように乗り越え(ようとし)てきたか及びそのために役立ったと思われる手立て、を明るみにする目的で、研究代表者が面接調査を実施した。
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