2006 Fiscal Year Annual Research Report
世代間交流を促す「祖父母と孫の回想法」の開発:祖父母の自己語りと自我同一性の関連
Project/Area Number |
17530521
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Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
山口 智子 日本福祉大学, 社会福祉学部心理臨床学科, 助教授 (00335019)
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Keywords | 世代間交流 / 回想法 / 自我同一性 / 祖父母 / 孫 |
Research Abstract |
急速な高齢化にともない、高齢者の心理を理解し、高齢者の生活の質を高める方法を開発することは急務の課題である。一方、青年期の問題として、自我同一性をめぐる問題が指摘されている。これらの高齢者・青年期の問題について、祖父母と孫の交流が時間的展望を促すという知見もあり、祖父母と孫の世代間交流は両者の発達を促進する可能性が考えられる。そこで、本研究では祖父母と孫の関係に注目し、高齢者の心理的援助として注目されている回想法(Butler,1963)を用いて、祖父母と孫の世代間交流を促す回想法の開発を試みる。また、祖父母が孫に人生を語る世代間交流にはどのような意義があるのかを検討する。 2年目である今年度は、(1)実際に「祖父母と孫の回想法」について、大学生用に、「祖父母の語りを聞くためのマニュアル」を作り、研究協力者(孫である大学生)に、そのマニュアルを用いるための説明を行い、マニュアル内容について検討を行った。マニュアルを用いた回想法を実施することに、特に、問題はなかった。(2)マニュアルを用いて、「祖父母と孫の回想法」を研究協力者18名(祖父母9名と孫である大学生9名)に行ってもらい、その効果を検討した。その結果、回想法を行うことで心身の不調を訴える協力者はなかったが、祖父母のPGCモラール・スケール、孫の自我同一性尺度に実施前後の差は認められなかった。現在はバウムテストや自由記述欄の質的分析を行っている。
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