2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17530527
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
大河内 浩人 大阪教育大学, 教育学部, 助教授 (80223775)
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Keywords | 行動履歴 / 遠隔履歴効果 / 刺激性制御 / 般化 / 強化スケジュール / 人間 |
Research Abstract |
過去経験もしくはその影響は、行動分析では、行動履歴、履歴効果、スケジュール歴、条件づけ歴、などと呼ばれているが、研究はまだ萌芽的な段階で、組織的な知見の蓄積もない。本研究は、行動履歴効果の研究のために、1つの概念的な枠組みを提供しようというものである。本研究代表者は、これまでに実施したいくつかの実験に基づき、履歴効果が刺激般化するという証拠を得た。ただし、これらの知見はすべて直前履歴効果に限定されたものである。本研究は、履歴効果の刺激般化が遠隔履歴効果にも認められるかどうかを明らかにするものである。本年度は、Freeman & Lattal型実験によって、遠隔履歴効果の先行刺激性制御を確認した。大学生(被験者)は、まず、ある刺激(刺激1、緑もしくは赤刺激)の下で一定数の反応が生じたら強化されるFRスケジュール、もうひとつの刺激(刺激2、赤もしくは緑刺激)の下で一定時間無反応後の反応が強化されるDRLスケジュールを経験し,前者では高反応率、後者では低反応率を示した(履歴形成フェイズ)。次に第3の刺激(刺激3、白刺激)の下で一定時間経過後の反応が強化されるFIスケジュールを経験し(FIベースラインフェイズ)、その後刺激1と2の下でFIスケジュールを呈示された(履歴テストフェイズ)ところ、1名は20セッションのテストすべて(1200強化以上)、3名がテストの始めの1-3ブロック(4-12強化)において、刺激1での反応率が刺激2でのそれより高かった。こうした刺激間の反応率分化(刺激性制御)はFIベースラインの呈示セッション数や履歴形成フェイズからテストまでの時間間隔が異なる他の8名においても、一貫して認められたが、履歴形成フェイズを経験しなかった4名には認められず、遠隔履歴効果を示していることが実証された。
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