2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17530527
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
大河内 浩人 Osaka Kyoiku University, 教育学部, 准教授 (80223775)
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Keywords | 行動履歴 / 遠隔履歴効果 / 刺激性制御 / 般化 / 強化スケジュール / 強化間隔 / 人間 |
Research Abstract |
過去経験もしくはその影響は、行動分析では、行動履歴、履歴効果、スケジュール歴、条件づけ歴、などと呼ばれているが、研究はまだ萌芽的な段階で、組織的な知見の蓄積もない。本研究は、行動履歴効果の研究のために、1つの概念的な枠組みを提供しようというものである。本研究代表者は、これまでに実施したいくつかの実験に基づき、履歴効果が刺激般化するという証拠を得た。ただし、これらの知見はすべて直前履歴効果に限定されたものである。本研究は、履歴効果の刺激般化が遠隔履歴効果にも認められるかどうかを明らかにするものである。本年度は、Weiner型実験によって、遠隔履歴効果の後続刺激性制御と刺激般化を検討した。半数の大学生(被験者)は、まず、一定数の反応が生じたら強化されるFRスケジュール、残りの半数は一定時間無反応後の反応が強化されるDRLスケジュールを経験し,前者では高反応率、後者では低反応率を示した(遠隔履歴形成フェイズ)。その際、どちらのスケジュールでも強化間隔(IRI)が長くなるようにした。次に、一定の反応間時間内だったら強化されるpacingスケジュールをすべての被験者が経験し、中程度の反応率と短いIRIを形成した(直前履歴形成フェイズ)。最後に、一定時間経過後の反応が強化されるFIスケジュール、その時間が強化ごとに変動するVIスケジュール、もしくはFRを呈示された(履歴テストフェイズ)。それぞれのテストでのIRIは遠隔履歴形成フェイズでのそれと近似するようにした。FIとVIテストでは一貫して、FRでは1回目のテストでのみ、かつてFRスケジュールを経験したものの反応率がかつてDRLスケジュールを経験したものより高く、遠隔履歴効果が認められた。この結果は、遠隔履歴効果の顕在化には遠隔履歴とテストの環境的類似性が関与していること、すなわち遠隔履歴効果と刺激般化の関連性を暗示している。
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