2006 Fiscal Year Annual Research Report
運転における疲労感・眠気と自身の遂行能力の認知に関する心理生理学的研究
Project/Area Number |
17530541
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Research Institution | The Institute for science of labour |
Principal Investigator |
鈴木 一弥 (財)労働科学研究所, 研究部, 研究員 (90291898)
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Keywords | 運転疲労 / 眠気 / 交通安全 |
Research Abstract |
長時間の自動車運転作業において、疲労・眠気による事故を防止するためには、連切な走行計画、運行管理や十分な睡眠・休息の取得が重要であるが、運転は単独でかつ自己ベースで行う作業であるため、適切な休憩取得などの走行中のドライバー自身による疲労に関する判断も安全上重要である。本研究は自動車運転作業における自身の眠気や遂行能力の認知と予測の特性を明らかにすることを目的とする。 初年度(2005年度)に、約2時間×4回の計約8時間の深夜の長時間シミュレーター作業の実験をおこなった。測定項目は主観的眠気、30分ブロックごとの遂行や眠気の予測、生理反応(脳波、眼球運動、深部体温)であった。模擬走行スケジュールとして、測定のための短い停車を除いてほぼ連続的に運転をおこなう条件、2時間ごとに20分の休憩を取得する条件、および20分の短い仮眠を取得する条件の3条件を設定し、データ収集を完了した。 2006年度には、実験で測定された眠気、パフォーマンス、生理反応の実際の変化と予測の関係の分析を実施し、ドライバ自身による疲労、眠気、遂行能力に対する予測の特性を検討した。分析の結果、被験者は30分の一連続作業時間の経過による疲れの短期的な増加を程度予測したが、深夜の最も眠気の強い時刻帯における体温低下を伴う急激な遂行能力低下は過小評価された。明け方に眠気が減少する回復が見られたが、その回復のタイミングは予測されなかった。実験の繰返しによる予測の改善は、少なくとも3回の繰返しでは生じなかった。これらの傾向は休憩の取得条件に関わらず概ね観察された。
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