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2005 Fiscal Year Annual Research Report

フランスの公教育における非宗教性原則の理念と実態に関する研究

Research Project

Project/Area Number 17530554
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionTokyo Gakugei University

Principal Investigator

藤井 穂高  東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (50238531)

Keywordsフランス / 公教育 / 非宗教性 / 学校教育
Research Abstract

研究計画の初年度に当たる今年度は、2004年に成立した「非宗教性の原則の適用により公立初等学校、コレージュ、リセにおける宗教的帰属を表明する標章及び服装の着用を枠付ける法律」(以下、非宗教性原則適用法)と略記)を素材として、今日のフランス公教育における非宗教性の問題構成を明らかにすることを課題とした。
その成果の概要は次の2点にまとめることができる。
1.非宗教性原則適用法の意義
非宗教性原則適用法は、公立の初等学校、コレージュ、リセにおいて、児童生徒が宗教的帰属を目立つように表現する標章及び服装の着用を禁止するものである。
従来の非宗教的な公教育にかかる法令では、子どもの信教の自由の平等な尊重を基本とし、そのために教育内容、教員等に関して政教分離を徹底するという論理構成をとっており、子どもの信教の自由を具体的に制約する規定は存在しなかった。イスラーム教徒の女子生徒による学校内でのスカーフ着用が大きな社会問題となっていたフランスにおいて、同法の意義は、法律により、明確にそれを禁じるところにある。
2.非宗教性原則適用法の論理構成
なぜ、こうした法律が成立したのか、その立法者意思を探るため、同法の審議過程における各種委員会報告等を手がかりに、スカーフ着用に関する困難の実情、それと対比される非宗教性の理念、そこから導かれる公教育の役割、そのための具体的方策という順序で論理構成を検討した。
この度の立法化については、法的(法律のみが自由の行使を制約することができる)、政治的(非宗教性を守る)、実務的(解決策を提供する)の3種の理由により正当化が可能である。ただし、実務的正当化については、新たな基準も曖昧さから逃れることはできない。また、政治的正当化については、同法の適用により、審議過程においてもその基本的人権すら侵害されていると認められた当の女子生徒が退学処分を受けることになり、大きな課題を残すことになったと思われる。

  • Research Products

    (1 results)

All 2005

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] フランス公教育における非宗教性原則の問題構成2005

    • Author(s)
      藤井穂高
    • Journal Title

      教育制度学研究 12

      Pages: 167-181

URL: 

Published: 2007-04-02   Modified: 2016-04-21  

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