2007 Fiscal Year Annual Research Report
国家による民衆動員の一環としての郷学教育に関する研究
Project/Area Number |
17530557
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
八鍬 友広 Niigata University, 人文社会・教育科学系, 准教授 (80212273)
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Keywords | 郷学 / 農兵 |
Research Abstract |
本年度は、大阪府内の郷学関係文献の閲覧のため、大阪市立中央図書館の調査をおこなった。また、新潟県新発田市における「社講」に関する基礎的な調査もおこなった。「社講」は、近世期に於いて藩がおこなった体系的な民衆教育として注目されるものである。新発田藩では、農兵の取り立てもおこなっているので、これと「社講」との関係について、基礎的な資料を収集した。 以上の調査と並行して、すでに収集している水戸藩の郷学関係資料の解読をおこなった。水戸藩では、幕末期に民衆を対象とした地域的郷学組織が確立しており、近世期における民衆教育組織としては、もっとも系統だったものということができる。また水戸藩の郷学における教育目的のひとつとして、農兵の訓練および教育が位置づけられていることは、本研究の目的に照らして、きわめて重要なものといえる。とくに、これらの郷学に関する学校日誌および「御用留」などは、当時の郷学の教育実態を探るうえで貴重なものである。この解読の作業は来年度においても継続する予定である。 同じように、すでに収集している資料として、新潟県小千谷小学校所蔵の郷学関係資料がある。本年度においては、これらの解読もおこなった。この作業も来年度に継続するものである。 本年度においては、以上の調査および資料の解読に加え、幕末維新期における国家史に関する研究動向をふまえるため、関連する文献の収集につとめた。
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