2005 Fiscal Year Annual Research Report
ドイツにおける教育領域への組織マネジメント導入過程に関する研究
Project/Area Number |
17530564
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
南部 初世 名古屋大学, 大学院・教育発達科学研究科, 助教授 (40263058)
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Keywords | 教育学 / 経営学 / 行政学 / ドイツ / 組織マネジメント / 学校開発 |
Research Abstract |
本研究第1年目である本年度の研究成果は、2つに大別される。 第一は、ドイツの経営学、行政学における「組織マネジメント」理論に関する文献・資料の収集・分析であり、「組織マネジメント」概念について掘り下げるとともに、「組織マネジメント」への着目の経緯について明らかにした。とりわけ、「組織マネジメント」の視点を公共セクターへと拡大する際に大きな役割を果たした自治体経営の調査研究組織「行政簡素化自治体共同機構(KGSt)」において独自に開発されてきた行政改革モデルである「新制御モデル(NSM)」について、KGSt報告書を分析することによって明らかにした。新制御モデルは、自治体行政の「公的なサービスを供給する経営体」への再編を目標としたものであり、その構成要素は、(1)政治と行政の明確な区分、(2)「契約管理(Kontraktmanagement)」、(3)分権的な責任体制、(4)半自律的な組織単位に対する距離を置いた戦略的な管理=「コントローリング(Controlling)」、(5)サービス供給の観点からの制御手法:アウトプット制御である。 第二は、各州の教育改革動向についての分析であり、早くから「学校の自律化」政策実施の焦点を絞って「組織マネジメント」導入に着手し、他州に先んじて外部評価機関Schulinspektionを創設するなど、「評価(Evaluation)」を軸とした「学校の自律化」政策の展開に力点を置いてきたブレーメン州に着目した。この州では、新制御モデルに応じた行政改革を教育部門も含め行っており、「製品グループプラン」を作成している。さらに、近年の動向も追い、2005年6月28日の学校教育法及び学校行政法改正について分析した。
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Research Products
(2 results)