Research Abstract |
本研究は,大学の教養(共通)教育において学生に求められる能力のうち,課題解決に係わる総合的な能力としてのコミュニケーション能力(主体性,討議能力,批判的思考能力,論理的思考能九表現・伝達能力)の育成を図る授業モデルや教材の開発を目的とした。本研究を通して今日的課題である大学の教養教育における授業内容や方法のあり方を見直す。さらに,本研究は,教育改革の重要課題である「教員の授業技術の改善」,「授業内容の見直し」,「成績や授業評価の透明性」を図る教員研修の取り組みの一環でもあり,本研究をFD研修に応用することで大学教員の授業に対する意識改革や授業技術の向上,ひいては,大学全体の意識改革を図ることに貢献する。 本年度は,大学および高等学校教員を対象とした研修等を実施し,これまでに開発した授業や研修モデルに基づいた演習用教材用テキスト『必携!相互理解を深めるコミュニケーション実践学』を開発し刊行した。さらに,日本教育情報学会第22回年会(岡山理科大学)において研究成果について発表した。 実践結果より,学生参画型授業に用いたPCM手法,強制連結法,マイクロプレゼンテーションは相互に有機的に機能して学生の自主性,討議,論理的思考,批判的思考,表現伝達からなるコミュニケーション能力の向上に一定の成果を得ることができた。また,教職員を対象とした研修においても参加者の満足度や研修意欲の向上などに一定の成果を得ることができた。このことは,今後小中高大学など校種を問わず,また管理職研修などで活用が期待できる。 最終年度は,これまでに得られた知見を基に,本研究の総合的評価(特に,授業や教員研修での具体的評価にかかわる検証)を行うとともに,参画型授業や研修においてITを活用したメディア教材開発を行う予定である。
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