2007 Fiscal Year Annual Research Report
台湾における教師教育改革に関する研究-採用・研修段階を中心に
Project/Area Number |
17530584
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Research Institution | Sendai University |
Principal Investigator |
佐藤 幹男 Sendai University, 体育学部, 教授 (30142904)
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Keywords | 教師教育 / 教員養成 / 教員採用 / 教員研修 / 台湾 |
Research Abstract |
台湾における教師教育分野の改革は、すでに見直しの段階に入っている。 教員養成においては、開放制の導入以降、急激な少子化も加わって、大幅な供給過剰となっており、教員の新規採用がほとんど行えなくなり社会問題化している。極端な買い手市場となる中、教員養成の質的向上策と量的管理策が同時的に実施されている。具体的には、大学評価と連動させた養成定員管理策の開始、実習期間の半減化(1年から半年へ)と大学の責任による教育実習の充実、実習終了後に行われる資格検定試験の厳格化などが進められている。 教員採用においては、新たに導入された学校ごとの採用方式が、台湾的な縁故採用問題などの弊害もあってうまく機能せず、従来の行政当局による採用方式に戻り始めている。また、公費養成から自費養成への転換は進んだが、僻地や離島などの教員確保策としての公費養成は継続され、その部分の採用枠は若干確保されているものの、大方の自費養成による採用はほとんど見込めない状況による。採用増も検討されているが、そのための財源の確保が課題となっている。 教員研修においては、「教員終身進修制度」の確立に向けた施策が着実に展開されている。台湾では、自己責任による研修が基本である。学校ごとの研修も重視されているが、教員は、学校外での年間18時間の研修が義務付けられており、大学や社会教育機関等での研修が奨励されている。また、研修の申し込み、登録等を、個人の電子研修パスポートによりインターネット上で行う方式が導入され普及しつつある。さらに、大学院を活用した研修が活況を呈している。自己負担にもかかわらず、現職教員が多数、大学院修士課程で学んでいる最大の理由は昇給、昇任の利益にある。
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Research Products
(2 results)