2006 Fiscal Year Annual Research Report
英国教育機関への外部評価に対する異議申立制度の実態と機能に関する実証的研究
Project/Area Number |
17530595
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
沖 清豪 早稲田大学, 文学学術院, 助教授 (70267433)
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Keywords | 高等教育改革 / 異議申立 / 第三者評価 / 学生消費者主義 / OFSTED / OIA / ICA |
Research Abstract |
本研究は平成17年度からの2年間で、英国内で教育機関に対して実施されている外部評価に対する異議申立の制度化と実態について検討するとともに、英国教育改革全般のなかで、異議申立制度がどのように位置づけられ、実践されているかを明らかにし、日本への示唆を獲得することを目的とするものであった。研究成果は2点に整理される。 (1)中央行政機関であるOFSTED(Office of Standards in Education)によって実施されている監査制度(inspection)のうち、特に公立初等・中等学校に対する学校監査制度に対する異議申立制度は、単に評価者の契約組織(contractors)やOFSTED自身との交渉で問題が解決しない場合には、独立調停者(independent complaints adjudicator)によって解決が目指されている。さらに最終的には議会のオンブズマン制度で最終的な申立を受け付けることが制度化されている。現段階ですでに被評価主体に対する法的・制度的配慮がなされて、被評価者優位の調停が出される傾向も示唆されている。 (2)英国高等教育改革全般における新たな異議申立制度についてみると、イングランドとスコットランドの個別高等教育機関において教育面での評価などに対する被評価者からの異議申立制度の規則の制定が求められ、個別機関で対応できない場合のために、独立の全国組織であるOIA(The Office of the Independent Adjudicator for Higher Education)が制度化され、運営されている。 以上の傾向は英国において説明責任が遂行される中で、消費者志向の改革が進められていることに並行して、被評価者側の権利保障の動向も無視できないものとなっていることを示唆するものと位置づけられる。
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Research Products
(2 results)