2007 Fiscal Year Annual Research Report
公立博物館の成立と存続に関する研究-市民との関係構築の視点から-
Project/Area Number |
17530597
|
Research Institution | Otemon Gakuin University |
Principal Investigator |
瀧端 真理子 Otemon Gakuin University, 心理学部, 准教授 (70330165)
|
Keywords | 博物館 / 美術館 / 地域総合整備事業債 / 地方交付税 / 市民参加 / 教育普及活動 / 建設反対運動 / 指定管理者制度 |
Research Abstract |
公立博物館の成立と維持存続の過程を、市民との関係構築の観点から解明するため、本年度は以下の研究を行った。本研究の意義・重要性は、危機に立つ日本の公立博物館が存続する方策の探求、及び、公立博物館の適正配置問題の考察に寄与しうる点である。 1.横須賀美術館建設反対運動の主張・経緯とその波及効果に関する論文をまとめ、『博物館学雑誌』に公表した。また追跡調査として、開館後にも現地を訪問し参与観察及び聞き取り調査を行った。 2.戦後間もなく、地域住民の公民館活動が発端で誕生した大町山岳博物館を調査対象として、刊行物の分析を中心に、日本社会教育学会大会で口頭発表を行った。開館以来の入館者数の変化は、観光地としての大町市の盛衰、及び「失われた10年」等の大きな社会経済的変化の影響を受けたこと、また創設当時から慢性的な市の財政難に直面してきたこと等を明らかにした。継続して、館所蔵の行政文書の閲覧、データベース化を行い、1951〜84年度分までが完了した。市議会議事録の閲覧にも一部着手し、また、関係者からの聞き取り調査、関連資料の収集、友の会行事の参与観察を行った。 3.芦屋市立美術博物館の管理運営問題に関し、関連シンポジウム・研究会へ参加し、情報収集を行った。また、同館の管理運営を受託している特定非営利活動法人芦屋ミュージアム・マネジメント事務局次長の藤本隆氏から、館運営の実情を伺うラウンドテーブル「芦屋市立美術博物館の現在と市民利用施設の未来」を日本社会教育学会六月集会で企画した。この内容は、Musa22号に掲載した。また、芦屋市立美術博物館の事例を、月刊『あいだ』に寄稿、また芦屋、横須賀、さらに日本民家集落博物館の事例を加えて、『ボランティアコーディネーター白書2007-2009年版』に寄稿した。 4.上記調査活動や周辺情報、研究上のアイデア等を、ブログにて随時情報提供した。
|