2006 Fiscal Year Annual Research Report
道内公立小・中学校の学校規模の違いが学習活動に及ぼす影響に関する研究
Project/Area Number |
17530603
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
須田 康之 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (90216474)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大矢 一人 藤女子大学, 文学部, 教授 (10213878)
住岡 敏弘 釧路公立大学, 経済学部, 助教授 (70304376)
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Keywords | 学校規模 / 学級規模 / 都市化 / 向学校性 / クラスへの愛着・凝集性 / 教師への肯定的評価 / 授業・学校生活への積極的関与 / 生活習慣の確立 |
Research Abstract |
須田康之、大矢一人、住岡敏弘の3名は、第65回日本教育学会(東北大学,2006年)にて、「道内公立小・中学校の学校規模の違いが学習活動に及ぼす影響に関する研究」の共同発表を行った。この研究は、学校規模、学級規模、都市化の3要因が、児童生徒の学習活動に及ぼす影響の相対的関係を捉えたものである。学習活動にかかわる調査項目を主成分分析にかけ、(1)向学校性(学校が楽しい、学校が好きという感情)、(2)クラスへの愛着・凝集性、(3)教師への肯定的評価、(4)授業・学校生活への積極的関与、(5)生活習慣の確立、の5成分を抽出した。学習活動の各成分と学校規模、学級規模、都市化の関係を分析したところ次の四点が明らかになった。第一に、学校規模は、クラスへの愛着・凝集性に負の影響を与えているが、学級規模は、クラスへの愛着・凝集性とは無関係であること。第二に、学校規模は、小学校においては生活習慣の確立に正の影響を与え、中学校においては授業・学校生活への積極的関与に正の影響を与えていること。第三に、学習活動を構成する5つの成分のうち、向学校性は、小中学校ともに、クラスへの愛着・凝集性に規定されていること。加えて、クラスへの愛着・凝集性と教師への肯定的評価、授業・学校生活への積極的関与と生活習慣の確立は、それぞれ互いを強く規定し合っていること。第四に、都市化は、授業・学校生活への積極的関与に負の影響を与えていること、である。 この結果から、学習活動には、クラスへの愛着・凝集性と教師への肯定的評価からなる<学級集団の系>と、授業・学校生活への積極的関与と生活習慣の確立からなる<学力・生活の系>の2つの系が存在し、学校規模は、<学級集団の系>に対してはマイナスに作用し、<学力・生活の系>に対してはプラスに作用していることが、示唆される。
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Research Products
(3 results)