2006 Fiscal Year Annual Research Report
高等教育におけるグローバリゼーションの進展について
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17530610
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Research Institution | JapanAdvanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
本多 卓也 北陸先端科学技術大学院大学, 知識科学研究科, 教授 (10016595)
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Keywords | 高等教育 / グローバル化 / 学問中心 |
Research Abstract |
現在、世界の国々は国をあげて科学技術開発競争に走り、その技術開発競争の担い手としての高等教育機関の研究機能の強化に走っている。国の威信を賭けた高等教育重点化政策が中国などの発展途上国に強く見られる。このため90年代後半には、イギリス、フランス、ドイツ、アメリカおよび日本の先進5ヶ国の論文数シェアが初めて低下しはじめた。 この様な時代背景から、経済成長率の著しい国々に焦点を当てて分析し、それらの国の個別大学の年間論文発表数が急激に増加している結果を示し、分析した。中国、韓国などの大学の年間論文数が大きく伸び、世界の一流研究大学群に加わってきた。現在では、Ben-Davidが指摘した「学問中心地」の担い手である高等教育機関が従来の先進国の枠を超えて、世界的な広がりをもってきたと言えよう。今後の動向も含め、国および大学レベルの『年間論文数を元に高等教育におけるグローバリゼーションの実体解明』のために、研究活動状況の指標の一つである年間論文数の経年変化を、世界の大学および国についてその成長率で評価した。 年間論文数に注目すると、中国、韓国では国全体の年間論文数の伸びが、Priceが報告した「15年に学術世界の文献量が倍になる」という分析結果(年4.6%、全世界平均)を大きく上回る10%以上を示した。さらにこれらの国々を代表する研究大学は彼らの国の年間論文数の増加率よりも大きな値を示した。このことからも、各国は高等教育機関の重点化を推し進め、現在の厳しい経済的国際競争を勝ち抜く戦略をとっている事実を裏付けている。なお、従来から論文発表数の多い国々では、比較的Priceの値に近い成長率を得た。 中国の大学の年間論文数の急増の原因としては、従来指摘されてきた投入資金量の増加のみではなく、重点化大学自身が大学併合や、学部新設などのスケール・イフェクトを求めてきた事実を加味して、初めて十分な理解がなされることを示した。
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Research Products
(2 results)