2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17530611
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Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
村上 登司文 京都教育大学, 教育学部, 教授 (50166253)
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Keywords | 平和形成方法 / 平和教育 / 平和社会形成 / 社会力 |
Research Abstract |
1.平和形成方法の教育の社会科学的分析 平和形成方法の教育を「平和的な国家および社会を形成するために必要な知識や態度や技能の教育」と規定し、平和形成方法の教育論の展開を、「教育で平和をつくる」や「平和を築く学び」という視点から、平和形成方法教育の理論化を試みた。平和博物館における「向平和的」な展示の資料を収集し、平和形成方法の教育との関連を考察した。 2.平和形成方法の教育の実態分析 平成18年12月から平成19年3月にかけて、英国の中等学校9年生に対して平和形成方法に関する意識調査を行った。コベントリー・ブラッドフォード・サザンプトン・ロンドンにある10校の中等学校から534名の回答を得た。調査結果の分析によれば、世界が平和でないと思うのが97%で、英国が平和でないと思うのが77%である。社会が平和であるために何かしたいと述べる回答が68%あり、その平和貢献希望者の内で66%はわからないけど何かしたいと答えている。平和社会をつくる方法を学校で学びたいと述べる回答生徒が51%あり、平和形成方法の教育を、回答した生徒の半数が希望していることが明らかとなった。 3.平和形成方法の教育の国際比較 日英の生徒に対する平和意識調査の比較分析によると、日本の生徒の方が、正義の戦争論を否定し、戦争放棄を肯定する割合が高いので平和意識が強いといえる。ただし、日英の生徒の平和社会形成への貢献意欲は同じ程度である。英国の生徒方が実際の平和貢献活動について詳しいが、平和貢献学習意欲や、自分の将来の平和貢献活動や仕事については日本の生徒の方が積極的であることが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)