2005 Fiscal Year Annual Research Report
小学校国語科音声言語教育における活用意識の地域的差異に関する総合的研究
Project/Area Number |
17530629
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
長崎 秀昭 弘前大学, 教育学部, 助教授 (80374809)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大熊 徹 東京学芸大学, 人文社会科学系, 教授 (40152087)
成田 雅樹 秋田大学, 教育文化学部, 助教授 (50361217)
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Keywords | 音声言語教育 / 活用意識 / 実態調査 / 方言 / 内言 / 授業実践 / 共通語 / 東北地方 |
Research Abstract |
1、本年度は、第1年次として、東北地方と東京の話し手の聴衆意識、話題選択や話の構成に及ぼす文化的要素や地方風土、話の生成における方言及び共通語の影響の差異などについて理論的な研究を進めた。具体的には、2回の討議により、音声言語教育の目的とその歴史的経緯についての確認が行われた。その過程で、言語習得における地域的な差異意識は、音声言語における「内言」のあり方に関して、方言と共通語の使用者の意識に共通性が見られるのではないかという仮説が立てられた。 2、次年度平成18年度より、本格的な実態調査を始める予定である。これについては、地方と東京の2ヵ所に研究拠点を置くことが特徴となる。17年度は、その方法や範囲についての理論との整合を図り、方法についての検討および予備調査を行った。予備調査の一つは、秋田各地における教員、児童への「話すこと・聞くこと」の学習について単元毎にねらいや実施した経緯、結果、感想などを問うものである。これは、秋田県内3地区で行われ、結果は集計分析中である。 二つめは、弘前で、まず自らの方言を対象化するために、東京の言葉によるプロの落語を弘前市教員に聞いてもらい、その直後に行った方言の学習に関する実態・意見などの記録を収集した。また、大学の授業「総合演習」を利用して、大学生の活動として、市内の小学校で津軽弁に関する意識調査を行わせ、小冊子にまとめさせた。 3、また、現在各地域における小学校国語科の授業実践の参観を通して、音声言語教育に関する実態を把握しつつある。音声言語に関する活用意識は、小学校教育の影響を大きく受ける。そのため、教師が設定した観点のどの点を強調点としているか、方言と共通語のバランスの取り方、活用への意識をどのように育てているかなどをビデオに収めた授業記録をデータ化している。
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