2006 Fiscal Year Annual Research Report
小・中・高等学校における金銭管理学習プログラムの開発
Project/Area Number |
17530635
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
渡邊 彩子 群馬大学, 教育学部, 教授 (70175082)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 さゆり 共愛学園前橋国際大学, 国際社会学部, 講師 (40406286)
上里 京子 群馬大学, 教育学部, 助教授 (80202448)
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Keywords | 金銭管理教育 / 高校生 / 家庭科 / 教科書分析 / 小遣い / インターネットショッピング |
Research Abstract |
平成18年度は収集した資料の分析と高校生の金銭生活に関する実態調査を行った。 1.資料は、高等学校家庭科科目「家庭総合」全8冊の中の金銭管理教育に関する箇所と、民間や金融広報中央委員会から発行されている金銭に関する副読本を対象とした。金銭管理教育の分析の柱として、金融広報中央委員会の「金融に関する消費者教育の推進に当たっての指針(2002)」を参考に、同委員会から出版された「金融教育ガイドブック-学校における実践事例集-」中の金融教育の枠組み「生活設計・家計管理」「金融のしくみ」「消費生活」「キャリア教育」の4分野を用いた。4分野にサブカテゴリーを設定し、教科書・副読本中の太字などで表されたキーワードを洗い出して分類した結果、教科書の金銭管理教育の内容は各社で共通の一致するものが多く、「自律的な生活主体者を育てる」ことに関する概念用語が多いが、金銭の運用等、実用的な用語は少なかった。それに対して、副読本は家庭科のみで用いられるものではないだけに、金銭管理の実用的な面を多く取り上げている。金融・経済の変化に対応して家庭科教育が実効性のあるものとして捉えるとき、副読本の効果的な使用が望まれる。また、両者ともキャリア教育に関してはごく一部の本しか金銭教育の範囲に入れていないが、働き方が問題となっている現在、この柱は重要性を枡であろう。 2.高校生の金銭生活に関する調査の結果、お小遣いをいろいろな機会にもらっている一方、アルバイト経験のある者もかなりいた。そのため、使用金額は大きな差があり、2,3千円から数万円までと開きがある。これらは貯蓄をすることは少なく、日常の飲食や本・ゲームに使われており、性別で内容が異なる。使用金額の多少によっても使い途は異なった。また、消費の意識と行動にはズレが見られた。 約半数の生徒はインターネット・ショッピングの経験があり、これからしたいという回答も多かった。これからの金銭生活としてこうしたインターネットによる購入のみでなく、オークションなどで販売する場合も出てくることから、金銭管理教育の対象が広がり、ますます、重要となってくると考える。
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Research Products
(1 results)