2005 Fiscal Year Annual Research Report
社会科における「エクイティ」の学習内容構成に関する実証的比較研究
Project/Area Number |
17530642
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
川崎 誠司 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (10282782)
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Keywords | 社会科 / 多文化教育 / 公正さ / equity / フィールドワーク / 社会的判断力 / ハワイ / 質的研究 |
Research Abstract |
研究代表者は1996年より科学研究費の援助を受けるなどして,多様な人種・民族の子どもたちが,当たり前に差異を受け入れている,その要因を内側から明らかにしたいと考え,毎年ハワイ・オアフ島ホノルル近郊の町にある小学校に通って短期の観察を続けてきた。2001年には私費により8ヶ月間滞在してまとまったフィールドワークを行い,その後も調査を継続している。 昨年度までに得た科学研究費による研究により,「エクイティ」に関する学習者の認識のパターンについて一定の仮説を得るに至った。これについては今後も考察を継続してゆくが,今年度からはそれに加えて新たな課題を起こし,「公正な社会的判断力」はどう育成されるか,を解明することに取り組むために,エクイティの「学習内容構成」について主として授業者の側から検討を始めることとした。 2005年11月にはハワイ・オアフ島の小学校の職員会議においてこれまでに得られた成果の報告を行い,数時間の授業観察と複数の教師に対する聞き取り調査を行った。同じく11月には全米多文化教育学会(National Association for Multicultural Education)の年次総会(於ジョージア州アトランタ)に出席し,多文化教育の中心課題である「エクイティの理解」に関する研究動向の調査と資料収集に努めた。 関連して2005年6月には,「エクイティ」の学習の教材となりうる「移民」に関する資料収集のために沖縄本島に赴き,博物館・資料館,市町村役場等を訪問した。現地では聞き取り調査と文献収集に努めた。また8月には,国立民族学博物館(大阪府吹田市)で行われた教員研修ワークショップ「博物館を活用した国際理解教育」に参加し,学習内容構成について研修を受けるとともに,国立民族学博物館において,移民(人の移動)に関する資料収集を行った。
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