2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17530659
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
廣木 義久 大阪教育大学, 教育学部, 助教授 (80273746)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 弘 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (60030441)
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Keywords | 地学教育 / 授業研究 / 岩石 / 鉱物 / 石 / 宝石 |
Research Abstract |
本研究の目的は,中学生が岩石と鉱物の違いが理解できる授業方法を開発することである。この研究では,「科学概念である岩石・鉱物の学習に日常概念である石や宝石の学習を組み入れれば,岩石と鉱物の違いの理解度が高まる」という仮説を立て,その仮説の検証を行う。本年度の研究経過と結果は以下の通りである。 まず,教科書にある従来型の岩石・鉱物の授業の問題点を検討し,従来型の岩石・鉱物の授業に石と宝石の学習を組み入れた新しい授業を考案した。研究対象とした授業は,中学1年生の火成岩の授業3時間分についてである。従来型の授業1セットと新しい授業2セット(石の学習を組み入れた授業1セットと石と宝石の学習を組み入れた授業1セット)の計3セットの授業組み合わせを用意した。 次に,新しい授業と従来型の授業を行うグループ構成員(大阪教育大学附属池田中学校1年生4クラス,計157名)に対して,岩石名をたずねる質問紙法により事前アンケート調査をし,各実験グループに質的な差のないことを確認した。その上で,従来型の授業を2クラス,石の学習を組み入れた授業を1クラス,石と宝石の学習を組み入れた授業を1クラスに対して実施した。 授業実験の結果を評価するために,岩石名をたずねる質問紙法によりデータを採取した。その結果によれば,従来型の授業を受けた生徒と新しい授業を受けた生徒との間に有意な差は認められなかった。いずれの実験グループにおいても,4割近い生徒が岩石と鉱物を区別していなかった。あらためて,岩石と鉱物の区別の困難さが浮き彫りとなった。 次年度は,本年度の結果を分析し,岩石と鉱物の違いが理解できる新たな授業方法を考案し,再度その効果を検討する予定である。
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