2008 Fiscal Year Annual Research Report
図形認識に関する『質的研究』に基づく図形授業過程の研究
Project/Area Number |
17530670
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
川嵜 道広 Oita University, 教育福祉科学部, 教授 (80169705)
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Keywords | 図形認識 / 質的研究 / 図形授業 / 図形授業過程 / 図形概念 / 指導理論 / 認識の変容 / 現象学的研究 |
Research Abstract |
子どもの図形認識の発達に最も大きな影響を与えるものが授業である。図形認識に関する質的研究は,教室文化に関わることで子どもの図形認識過程が解明できるという特質がある。質的研究という新しい研究手法に従えば,子どもの図形認識過程の観察,調査,分析により,随時,理論の構築および検証,改善を行うことができ,最終成果として図形授業過程に関する規範的な理論を構築することができる。 本年度は,授業という文脈を重視し,子ども個人の内面における図形認識の変容に着目することで,図形概念の認識過程を解明した。小学校4年生の図形授業の分析結果に基づいて,授業の諸相における教師の指導と子どもの認識との関連を捉えることにより,図形授業過程に関する理論を構成した。特に,本研究は質的研究であるために,授業場面において図形認識に関わる事象が生起した文脈を重視し,事象そのものの本質,意味を現象学的に追究することにより,図形授業過程に関する知見や理論を得た。具体的には,一人の子どもの単元を通しての姿を継続的に観察し,図形を見る視点の変化が図形認識の変容に繋がることを確認した。 「改訂算数科教育の研究と実践」では,新学習指導要領にける小学校算数科図形領域の指導理念及び指導内容の本質,特質について,これまでの図形認識,図形授業に関する研究成果に基づいて記述した。
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Research Products
(3 results)