2006 Fiscal Year Annual Research Report
発達性読み書き障害の視覚認知・音韻認知複合仮説の検討
Project/Area Number |
17530681
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
松本 敏治 弘前大学, 教育学部, 教授 (50199882)
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Keywords | 発達障害 / 読み書き障害 / 視覚認知 / 音韻処理 / ディスレクシア |
Research Abstract |
1 顕著な視覚認知障害を抱え、読みに困難はないもののひらがな及び漢字の書字に困難を示した小学2年対して書字筆順の音声化による指導を行った。結果は、字形のバランスの崩れは大きく改善し、漢宇学習成績が向上した。また同時に、図形模写課題の指導をおこないその変化を記録した。指導前後の一文字・有意味語・無意味語・イラストの読み速度、漢字書字の特徴の変化を記録した。現在、視覚認知・音韻処理の継時的発達的変化について分析を進めている。 2 前年度、自発的に研究協力を申し出た児童生徒(約50名)対して、視覚認知・音韻処理と読み書きの能力の発達的・継時的変化をみるため、昨年と同様、一文字・有意味語・無意味語・イラストの読み速度、音韻抽出課題、虫食い数字・矢印リストよみ課題、Reyの複雑図形の模写・再生課題、そして、 読み書き能力のチェックのため、「小学生の読み書きスクリーニング検査」を実施した。参加者の多くが、なんらかの発達障害を有することから、読み書き困難を有する事例と読み書きに問題を抱えない事例について、上述の視点からデータの分析を進めている。 3 英単語の読み・書き(スペリング)の学習に顕著な困難を示す1事例と通常学級在籍の中学生10名を対象にPhonicsしどうを行った。指導前後に、上述の視覚認知・音韻処理課題を実施した。事例では、日本語無意味語読みにおいて読み速度の遅れがみられた。他の10名について、英語の成績と漢字の読み書き、視覚認知・音韻処理の関係について分析をおこなっている。 4 発達性読み書き障害をしめした1症例の乎仮名読みの特性について意味的処理と音韻処理の側面から検討した論丈が特殊教育研究に掲載された。
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Research Products
(1 results)