2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17530696
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
久野 建夫 佐賀大学, 文化教育学部, 助教授 (80186428)
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Keywords | 教育学 / 栄養学 / 社会医学 |
Research Abstract |
本年度は次の手順で研究を進めた。 1.特殊教育から特別学校教育への移行にともなう学校制度や教員免許制度の変革について、文献およびweb情報を調査し、その中でどのような形式の食育が必要なのか考察した。中央教育審議会初等中等教育分科会の答申「特別支援教育を推進するための制度の在り方について」と、同教員養成部会の報告「特殊教育免許の総合化について」が重要なものであり、その内容は学校教育法、教育職員免許法の一部改正に結実しつつある。細分化、専門化が進んできた特殊教育分野が、転換点を迎えていることが理解された。 2.盲・ろう・養護学校一体化に代表される、細分化専門化を、総合化一般化に置き換える方向性に基づいて、視覚障害児、聴覚障害児の食育も他領域から分離せず考えることとした。視覚障害、聴覚障害に関する基本的知見、特に調理や味覚、食卓のあり方に関する先行研究、最近の進歩をレビューした。視覚障害者のための調理器具、食器などのさまざまな工夫、拡大ビューア、諸種のIT機器の利用や、新生児聴覚スクリーニングやデジタル補聴器、人工内耳による聴覚障害の予防・治療によるQOL向上が生活全般に与える影響を調べた。 3.佐賀県立盲学校を訪問し、視覚障害者の調理実習を見学し、アンケート、聞き取り等の調査に着手した。 4.一方で、病弱児の食育についての検討をすすめ、特に1型糖尿病の教育ニードについて調査、考察をすすめ、報文として発表した。「糖尿病にともなう特別ニードを支援するカリキュラムの策定に関する研究III 糖尿病性ケトアシドーシスの対応に関する教育担当者向け教材について」では、糖尿病性ケトアシドーシスにおける疾病教育、食育について述べ、「同研究IV 低血糖予防ガイドラインについて」では、低血糖予防における食育の重要性を述べた。「高齢入院患者の栄養状態とそれに影響を及ぼす因子」では、生涯にわたる食事教育の重要性を述べた。
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Research Products
(4 results)