2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17540027
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
伊藤 浩行 Hiroshima University, 大学院・工学研究科, 准教授 (60232469)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣門 正行 広島市立大学, 情報科学部, 講師 (40316138)
齋藤 夏雄 広島市立大学, 情報科学部, 助教 (70382372)
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Keywords | 代数学 / 正標数の代数多様体 / 特異点 / Calabi-Yau多様体 / Mordell-weil格子 |
Research Abstract |
最終年度である2007年度は、本研究の目的に照らし合わせ以下の3点に関して研究を行った。 (1)正標数の体上定義された楕円曲面の数論的及び幾何学的研究。 (2)特異点理論における正標数特有の問題の解決。 (3)有限体構成問題の一般化、及びその応用。 (1)に関してはこれまで行ってきた、楕円曲面に関連する特異点の変形を用いた数論的対象であるMordell-Weil格子の研究を継続して行った。特に、標数2のE_8型特異点の変形を利用したこれまでの研究に加え、標数3のE_8型特異点に関連させた研究や、それらの基底変換によって得られる曲面族に関しても研究を行い、準ファイブレーションの構成問題への応用を得た。 (2)に関しては、準楕円曲面のファイバー積によりCalabi-Yau多様体を構成する際に現れた低標数特有の特異点についてADE特異点のモジュライとの関連から研究を行った。その中で、ADE特異点の半普遍変形空間とその上の普遍族の中に、特殊な等特異点軌跡と呼ばれる新たな空間を発見し詳しく研究を行った。これにより、低標数に特有な特異点の病理的現象の解明が可能となり、特異点理論にあらたな知見を得た。これについては今後引き続き研究を行いたい。 (3)Artin-Schreier塔を利用した巨大有限体の構成に関して、これまでは位数が標数のべきの場合のみについて構成法を考察していたが、より一般の位数に関して考察を行い、ある程度効率的な構成法を得ることができた。
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