2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17540055
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Research Institution | Niihama National College of Technology |
Principal Investigator |
柳井 忠 新居浜工業高等専門学校, 助教授 (50220174)
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Keywords | クロスKホップ代数 / ホップ代数 / ガロア対応 |
Research Abstract |
クロスKホップ代数(量子亜群)に関する近年の様々な研究結果に取材しながら,ホップガロア対応定理に関連するホップ代数の環への作用における諸性質が,ホップ代数より一般的な代数系であるクロスKホップ代数に拡張できるかどうかを調べ,ホップガロア対応定理のクロスKホップ代数への一般化が可能かどうかを検証した.kを基礎体とし,kを含む体K上のクロスKホップ代数,すなわちアンチポードを持つクロスK双代数,Aを考える.Aは左K空間として有限次で,さらにK余代数として分裂であるとする.このとき,Aの右K空間としての次元は左K空間としての次元と一致することが確認された.また,ホップガロア対応定理の証明で用いられた,分裂ホップ代数の素代数への作用の特性に関するA.Milinskiの結果(1995年)は,Aが素代数Rの左マルチンデール商代数Qに作用する場合でも示せることが確かめられた.このことをもとに,クロスKホップ代数のガロア対応について検証し,Aが零でない左積分を持つ場合,AのQへの作用が連続かつ外部的であれば,ホップ代数の場合と同様,Rの不変元からなる部分代数を含むRの有理的完備部分代数は,対応写像によって,Aの右余イデアル部分代数と対応することが分かった.更に,Aが余代数として既約であるか,または,RがAの群的元の作用によって安定しているときは,対応写像は単射であることが確認された.対応写像が全射であるかどうかの検証は,今後の課題となる.また,より弱い条件での対応写像の単射性の証明,Aにおける零でない左積分の存在についての検証,ホップ加群の双対性についての調査,更に,ホップガロア対応定理のホップ代数の新たな特徴づけへの応用を探ることも,今後の課題となる.
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