2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17540055
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Research Institution | Niihama National College of Technology |
Principal Investigator |
柳井 忠 新居浜工業高等専門学校, 数理科, 助教授 (50220174)
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Keywords | クロスKホップ代数 / ホップ代数 / ガロア対応 / 左積分 / 不変部分代数 |
Research Abstract |
ホップガロア対応定理のクロスKホップ代数への一般化,およびホップ代数の作用に関する新たな特徴付けへの応用について研究した.Rを体上の素代数,QをRの対称的マルチンデール商代数,KをQの中心,Aを有限次分裂クロスKホップ代数とし,AがQに連続かつ外部的に作用するとする。A^*をAからKへの右K写像の全体とするとき,Aの任意の右余イデアル部分代数Bが零でない左積分を持ち,さらに,Bが左A^*加群としてBの左積分で生成されていれば,ホップガロア対応定理の対応写像の全射性が得られる。このことから,有限次分裂クロスKホップ代数の右余イデアル部分代数が,左積分に関する上記の性質を持つかどうかの検証が今後の課題となることが確認された.なお,Aに零でない左積分が存在し,Aの群的元の作用でRが安定であるという仮定の下では,対応写像の単射性が成り立つことが前年度の研究で明らかになり,安定性の条件を仮定せずに単射性を示すことが目標となっていたが,これについては継続した課題となった. ホップ代数の作用の特徴付けについては,素環のX外部的自己同型写像のなす有限群における結果の一般化を試みた.Rを体k上の素代数とし,HをRに外部的に作用する有限次分裂ホップ代数とする.Hによる不変部分代数を含むRの部分代数の自己同型写像で,不変部分代数を固定するものはRの自己同型写像に拡張するかどうか,また,Rのマルチンデール商代数の中心がkと一致する場合,Hの正規右余イデアル部分代数をI, HのIによる商ホップ代数をH'とするとき,IによるRの不変部分代数へのH'の作用は外部的かという2つの課題を,ある具体的な例で検証し,その場合には答は肯定的であることが判明した,これらの問題が一般的にも肯定的な答を持つか,あるいは反例が存在するかについては今後の課題となる.
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