2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17540057
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤原 耕二 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60229078)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩谷 隆 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90235507)
|
Keywords | 格子部分群 / 有界生成性 |
Research Abstract |
平成17年度の研究成果は以下である。まず、有限生成群G上の擬準同型を使って、群Gの有界生成性についての新しい成果を得た。 定理「Gをランクが1のノンコンパクトな単純リー群の離散部分群とする。Gが有界生成であることは、Gがベキ零群を有限指数の部分群として含むことと同値である」。 いままで、部分的な結果は知られていたが、この定理は完全な結果である。Gが有界生成であることの十分性は易しい。必要性が新しい成果である。その証明について簡単に述べる。Gがベキ零群を有限指数で含まないとする。リー群に対応する対称空間Xがデルタ双曲的であることを前提に、GのXへのプロパーな等長作用を使い、G上に擬準同型を豊富に構成することで、Gが有界生成でないことが導かれる。 Gについての代数的な仮定から、Gはランクが2の自由群を含み、かつ、それが、Xにある仕方で作用するという幾何学的な結論が導かれる点が議論のポイントである。 次の研究成果を述べる。漸近次元とは、グロモフによって10年前に導入された、距離空間のある次元で、擬等長不変な量である。それまで、局所一様有界なデルタ双曲的なグラフは、有限な漸近次元を持つことが知られていた。次を示した。 定理「Xをコンパクトな曲面Sのカーブグラフとする。このとき、Xの漸近次元は有限である」。 ただし、このようなXはデルタ双曲的で、局所無限である。次も示した。 定理「Sをコンパクトな曲面とする。Sの種数が2以下なら、Sの写像類群の漸近次元は有限である」。 さらに、このようなSの写像類群の漸近次元を計算した。Sの種数が3以上の場合は、写像類群の漸近次元が有限かどうかは未解決である。
|
Research Products
(2 results)