2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17540058
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
塩谷 隆 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90235507)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑江 一洋 熊本大学, 教育学部, 助教授 (80243814)
藤原 耕二 東北大学, 大学院理学研究科, 助教授 (60229078)
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Keywords | エネルギー汎関数 / ラプラシアン / 測度距離空間 / リッチ曲率 |
Research Abstract |
今年度の研究として以下を証明した。リーマン多様体Mから距離空間Yへの写像空間上のKorevaar-Schoen型エネルギー汎関数Eは近似エネルギー汎関数E_rのr→0のときのΓ-極限として定義される。Yもリーマン多様体であるときは、このEは普通のエネルギー汎関数と一致する。以下Mはコンパクトと仮定する。このとき、族{E_r}が漸近的コンパクトであることを証明した。これにより、実数列r_i→0に対して、E_<r_i>-エネルギー最小写像の列は常に収束部分列をもち、その極限がE-エネルギー最小であることが分かる。さらに、ターゲットYが実数直線である場合には、L^2-関数空間上EとE_rは共に非負二次形式となるが、任意のkに対して、r→0のときE_rの第k固有値がEの第k固有値へ収束することを証明した。以上の結果は、より一般にMが測度距離空間で測度縮小条件を満たせば正しい。 もう一つの研究として、アレキサンドロフ空間上のラプラシアンの比較定理について考察した。ある種の自然なラプラシアンをラドン測度として定義し(これをラプラシアン測度Lと呼ぶ)、それに対してラプラシアンの比較定理を得た。つまり、非負曲率をもつアレキサンドロフ空間上の任意に固定された一点からの距離関数rに対して、Lr【greater than or equal】-(n-1)/rが成り立つことを証明した。このラプラシアン測度がエネルギー形式と結びつくか、つまりグリーン・ストークスの公式をみたすかどうかについて、その証明を現在試みている。さらに、もしこれが正しいと仮定したとき、Cheeger-Gromollの分裂定理を拡張できることを確かめた。
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