2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17540058
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
塩谷 隆 東北大学, 大学院理学研究科, 教授 (90235507)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑江 一洋 熊本大学, 教育学部, 助教授 (80243814)
藤原 耕二 東北大学, 大学院理学研究科, 助教授 (60229078)
|
Keywords | アレクサンドロフ空間 / Bishop-Gromov条件 / リッチ曲率 / ラプラシアン / 有界変動関数 / グリーンの公式 / 分割定理 / 比較定理 |
Research Abstract |
前年度に引き続いて,アレクサンドロフ空間上のラプラシアンの比較定理について研究した.リーマン多様体において,リッチ曲率の下限条件はBishop-Gromovの体積比較条件の無限小バージョンに同値であることが知られている.アレクサンドロフ空間ではリッチ曲率テンソルが定義できないため,このBishop-Gromovの体積比較条件の無限小バージョンをリッチ曲率の下限の条件に置き換えて,ラプラシアンの比較定理を証明した.一点からの距離関数の超関数の意味のラプラシアンを考えると,Perelmanの結果からこれはラドン測度になるととが分かる.アレクサンドロフ空間では切断跡や特異点集合が稠密なこともあり,そのラドン測度は体積測度に至ところ絶対連続とはならない.従って,リーマン多様体と同じような証明は通用しない.証明では,先ず,Greenの公式が成り立つことを証明した.これには,有界変動関数の理論を基にして,特異点の幾何的性質を用いた精密な議論を要した.Greenの公式を使って,Waldの凸性質を用いた幾何学的な議論からラプラシアンの比較定理を証明した. ラプラシアンの比較定理の応用として,Cheeger-Yauの熱核の比較定理およびChengの距離球上のラプラシアンの第一固有値の比較定理をアレクサンドロフ空間上へ拡張した.また,Cheeger-Gromallの分割定理を拡張した.
|
Research Products
(4 results)