2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17540060
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
大塚 富美子 茨城大学, 理学部, 助教授 (90194208)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大嶋 秀明 茨城大学, 理学部, 教授 (70047372)
卜部 東介 茨城大学, 理学部, 教授 (70145655)
伊藤 仁一 熊本大学, 教育学部, 教授 (20193493)
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Keywords | 多面体 / 全曲率 / 定曲率 |
Research Abstract |
近年、幾何学の分野においては、多様体に限らずより一般的な空間を対象とした研究が盛んである。本研究でも研究対象を2次元のpiecewise Riemannian polyhedron(リーマン多様体上の三辺形を張り合わせてできる局所有限な複体の構造を持つ完備な多面体)という曲面を一般化した空間として設定し、この空間を曲率(特に全曲率)の見知から特徴付けることを目的としている。 研究代表者:大塚富美子と分担者:伊藤仁一による共著の論文"Total curvature of noncompact piecewise Riemannian 2-Polyhedra"では、このような多面体上に2種類の全曲率を定義し、強い意味での全曲率のもとではCohn-Vossenの定理の拡張が成立することを示すとともに、一般の曲面との違いについても述べている。更に、等周問題に関する結果が拡張されることも示している。また研究発表の項にあるように、伊藤氏によるpolyhedral surfaceに関する考察など、いくつかの関連する結果も得られている。 2次元多面体の研究では、面が分岐することにより、曲面のもつどのような性質が保たれるのかを見極めることが重要である。特に保たれない場合について、曲面との違いを明確にしていくところに面白さがある。今後はモデルとなる定曲率多面体の分類を行い、多面体間の写像についても調べたい。また、非コンパクトな複体の理想境界に関連する研究も盛んであるが、多面体間の写像と理想境界上の写像の関係についての研究も進めていきたい。
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