2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17540060
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
大塚 富美子 Ibaraki University, 理学部, 准教授 (90194208)
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Keywords | 多面体 / 全曲率 / 定曲率 |
Research Abstract |
幾何学の分野においては、多様体に限らずアレキサンドロフ空間などのより一般的な空間を対象とした研究が盛んとなっている。本研究でも、研究対象を2次元のpiecewise Riemannian polyhedron(リーマン多様体上の三辺形を張り合わせてできる局所有限な複体の構造を持つ完備な多面体)という曲面を一般化した空間として設定し、この空間を曲率(特に全曲率)の見地から特徴付けることを目的としている。 2次元多面体の研究においては、多様体では起こり得ない面の分岐が許されるため、これによりどのような性質が現れてくるのかを見極めることが重要であり、曲面との違いを明確にしていくところに面白さがある。多面体のモデルとして、すでに平坦な場合には分類をまとめているが、それを基にして、現在正定曲率多面体の分類について、連携研究者の伊藤仁一氏と研究を進めており、成果をまとめようと考えている。しかし、当初の設定の下では、高次元多面体の2-skeletonが排除されてしまうため、もう少し設定を緩めた場合についても考察を進めているところである。この場合には、正600面体を除く高次元多面体の2-skeletonもその範疇に含まれるが、自由度が高くなるため、多面体を特定することは難しい。そこで、構造の特徴付けとその構造をもつ多面体の例示についてまず纏めておきたいと考えている。本研究の直接的成果であるこの論文はまだ準備段階であるが、連携研究者の成果である研究成果の項目の論文"Acute triangulations of flat tori"は、鋭角三角形による平坦トーラスの三角形分割に関するものであり、本研究の研究対象に関連するものとなっている。
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