2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17540066
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
坪井 堅二 東京海洋大学, 海洋科学部, 教授 (50180047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二木 昭人 東京工業大学, 理学部, 教授 (90143247)
上村 豊 東京海洋大学, 海洋科学部, 教授 (50134854)
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Keywords | 有限群 / 作用 / 複素多様体 / 定スカラー曲率ケーラー計量 / Futaki不変量 / Bando-Calabi-Futaki不変量 / 正則ベクトル場 / reductive |
Research Abstract |
Bando-Calabi-Futakiは,Futakiによって発見された積分不変量を一般化して,閉複素多様体が定スカラー曲率ケーラー計量を許容するための積分不変量を与えた.閉複素多様体上に有限群の作用があるとき,Futaki-Tsuboiはこの積分不変量を有限群作用の固定点情報から計算する方法を開発した.K.Tsuboi, On the BCF-characters of complex manifolds with Kahler metrics of constant scalar curvature, J.Tokyo Univ.of Marine Science and Technology, vol., p - (2006)において,上記の方法を用いて,いくつかの閉複素多様体がある定められたケーラー類の中に定スカラー曲率ケーラー計量を持たないことを示した. しかし,これらの例はいずれもある特定のケーラー類の中に定スカラー曲率ケーラー計量が存在しないことを調べただけであり,定スカラー曲率ケーラー計量の非存在は示されていない.閉複素多様体上の正則ベクトル場全体のなすリー環の構造から,ケーラー類を特定せずに定スカラー曲率ケーラー計量の非存在が証明できる方法がMatsushita-Lichnerowiczによって与えられたが,この方法もリー環がreductiveな場合は無力となる.閉多様体が定スカラー曲率の計量を許容するかは古典的な問題であり,ほとんどの場合が解決されたが,上記のリー環がreductiveで第1チャーン類が正の場合に閉複素多様体が定スカラー曲率ケーラー計量を許容するかという問題は唯一未だに未解決な問題である.このような状況において,本年度の研究の中で,上記のFutaki-Tsuboiの方法によって,ある種のケーラー多様体はリー環がreductiveであるにも関わらず,定スカラー曲率ケーラー計量を一切持たないことが示された.この結果は非常に複雑な計算から得られるため,現在検証中であるが,検証が終了し次第投稿する予定である.
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Research Products
(3 results)