2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17540070
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
玉木 大 信州大学, 理学部, 助教授 (10252058)
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Keywords | オペラッド / Salvetti複体 / Eilenberg-Mooreスペクトル系列 / 配位空間 |
Research Abstract |
非安定高次周期性の研究における中心的問題の一つは、球面の二重ループ空間を奇素数で局所化したときに二回懸垂で分解するかという問題である。球面の二重ループ空間の、「組紐配位」と呼ばれる複素平面の互いに異なる点の配位の空間による幾何学的モデルを用いると、この問題は、複素平面の「重心配位」と呼ばれる点の配位の空間と「組紐配位」の空間のある局所係数におけるホモロジー群の比較の問題に帰着される。 平成17年度の研究により、「組紐配位」の空間のホモロジー群を調べる際には実超平面配位の複素化の補集合のホモトピー型を表わす組合せ論的モデルである、Salvetti複体が非常に有効であることが分った。平成18年度は、まずその結果を用いて「重心配位」の空間のホモロジー群を調べた。その結果、標数2の場合には「組紐配位」の空間と「重心配位」の空間の局所係数ホモロジー群が異なるというF.Cohenと神山の結果の別証明を得た。Cohenと神山の証明は背理法による間接的なものであるが、Salvetti複体を用いるとホモロジー群を直接、そして簡単に計算できることが分った。この結果は論文としてまとめ投稿中である。 またより一般のモデル圏における非安定周期性の状況を調べるため、LupercioとUribeによりorbifoldのstring topologyを調べるために導入されたループの概念を拡張することにより、orbifoldの圏を含むtopological groupoidの圏にホモトピーの概念を導入し、その基本的性質を調べた。その結果、ホモトピー同値がモデル圏の公理の2-out-of-3公理をみたすこと、そして同値関係になることが証明された。
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