2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17540074
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松木 敏彦 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20157283)
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Keywords | 対称空間 / 有限次元表現 / 離散系列表現 / 佐藤超関数 / 旗多様体 / 軌道分解 |
Research Abstract |
平成17年11月9日から12月10目までRutgers大学のS.Gindikinを招聘し、ホロ球面的コーシー変換とその逆変換に関することを中心に共同研究を行なった。特に、ランク2の最も簡単な対称空間であるSU(3)/SO(3)とSU(2,1)/SO(2,1)について、コンパクト対称空間上の球的有限次元表現に関する場合とエルミート型のアフィン対称空間上の正則離散系列表現に関する場合を具体的に計算した。これによって、これらの2つの場合にホロ球面的コーシー変換が定義できる理由が明らかになった。また、これら以外の場合、特に一般の離散系列表現に対応する理論の構成へのヒントが得られた。 S.Gindikinはさらに、ホロ球面的コーシー変換によって、コンパクト対称空間上の佐藤超関数の空間とある凸領域上の正則関数の空間が対応することを明らかにしたが、研究代表者はこの理論の幾何学的な部分をより明確に記述することにより、この考え方が非常に強力であることを明らかにした。 11月15日から18日まで行なわれた表現論シンポジウムの運営に協力した。このシンポジウムではS.Gindikin、小林俊行、藤原英徳らのすぐれた研究発表が行なわれた。また、対称空間上の軌道構造および解析に関連する研究を行なっている青木茂および加藤末広と関連するトピックスについて研究交流を行なった。
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