Research Abstract |
本研究課題における18年度の研究成果の概要は以下のとおりである。フィンスラー幾何学においては,Chern-Finsler接続が重要な役割をもつが,この接続は実フィンスラー幾何学と複素の場合では,名称は同じでも,その定義は異なっていて,混乱する場合が多々ある.18年度は,この混乱を解消するために,複素多様体の複素構造Jを用いてChern-Finsler接続を改めて定義し直し,Finsler-Kahler多様体の特徴付けを与えることを目標に研究した.そのために,まずChern-Finsler接続の曲率やも捩率と複素構造Jの満たすべき恒等式を証明しこれらを用いて,Finsler-Kahler多様体の特徴付けを (1)Tadashi Aikou, Complex Finsler metrics and Chern-Finsler connections, Geometric Analysis, Sendai 207,January 13-15,2007,Tohoku University, Sendai, Japan. として発表した。また論文"The Chern-Finsler connection and Finsler-Kahler manifolds"にまとめ"Finsler Geometry"(ASPM,2007)に出版予定である。また,本年度は新しい試みとして,永野哲也氏との共同研究として,フィンスラー幾何学における双対接続の概念を導入し (2)Dual connection of Finsler connections,41-th symposium on Finsler geometry, Nov.9-12,2006,Kagoshima, Japan. においてその成果を発表し,投稿準備中である.
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