2005 Fiscal Year Annual Research Report
ファノ多様体の組合せ論に基づいたツイスター理論の再構築
Project/Area Number |
17540091
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
橋本 義武 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20271182)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安井 幸則 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30191117)
阪口 真 岡山光量子科学研究所, 研究員 (90382027)
大場 清 お茶の水女子大学, 理学部, 助教授 (80242337)
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Keywords | ツイスター理論 / ファノ多様体 / アインシュタイン計量 / 弦理論の双対性 / リーマン面のモジュライ |
Research Abstract |
われわれは,新しいコンパクト・アインシュタイン多様体を構成した. 具体的には,2次元球面上の,n次元球面をファイバーとするファイバー束の上にアインシュタイン計量を構成した. 方法は,1978年にD.Pageが,初めて等質的でない宇宙定数正のコンパクト・アインシュタイン多様体を構成したときのやり方にならっている.この方法は,なぜかPageの仕事以来,用いられていなかったものである. これは,まずカー・ドジッター・ブラックホールという,宇宙定数正のアインシュタイン方程式の,回転するブラックホール解から出発する.そのうち2枚の事象の地平線にはさまれた領域を選び,これをウィック回転によってリーマン計量に直し,さらにスケール変換しながら2枚の地平線が限りなく近づく極限を取る.こうしてコンパクト・アインシュタイン多様体が得られる.そのうちのいくつかの例は,ファノ多様体上の円周束の構造をもつ. このようにして得られるコンパクト・アインシュタイン多様体のうち,佐々木計量をもつものが特に重要である.これは,弦理論における,ADS-CFT対応という,重力場とゲージ場の等価性を導く予想に関連して,近年注目されている対象である. カー・ドジッター・ブラックホールも佐々木計量も,キリング・ベクトル場をもつアインシュタイン計量である.われわれは,カー・ドジッター・ブラックホールから構成される佐々木計量に対し,双方のキリング・ベクトル場の対応も明らかにした.
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