2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17540092
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
枡田 幹也 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00143371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 義武 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20271182)
加藤 信 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10243354)
日比 孝之 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80181113)
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Keywords | トーリック多様体論 / 扇 / 凸体 / 組合せ論 / トポロジー / face ring / 同変コホモロジー / グラフ理論 |
Research Abstract |
代数幾何におけるトーリック多様体論をトポロジーの観点から展開した理論を構築してきた。これは、トーリック多様体論をトポロジーの言葉で復元するのみならず、多重扇、多重多面体など、新たな対象が現れる点で興味深いと思われる。トーリック多様体に対応するトポロジーの対象は、トーラス多様体である。トーラス多様体の幾何学的性質と組合せ論との関係を調べるのが、本研究の目的である。これに関して現在次のプロジェクトを進めている。 (1)トーラス多様体のうち、奇数次のコホモロジーが消えているものは、よいトーラス多様体と思われる。実際トーリック多様体はそのようなものである。Panov氏との共同研究において、そのようなトーラス多様体の軌道空間の言葉による特徴づけを得た。この結果に触発されて,球面を単体的セル分割したときの単体の数の特徴づけを得た.これはStanleyの予想の解決になっている. (2)Guillemin-Zaraにより、トーラス多様体のトポロジーとグラフ理論との関係が調べられている。これは、グラフ理論の研究に同変トポロジーのアイデアを導入したもので大変興味深い。特に、axial functionをもつトーラスグラフに対して、その同変コホモロジー環が,可換環論で導入されているsimplicial posetのface ringになることを示し,論文に纏めた(Maeda-Masuda-Panov). (3)Bott towerは,CP^1束を繰り返して得られる複素多様体であるが,これはn-cube上のトーリック多様体になっている.これらの位相的分類,および複素多様体としての分類を試みている.特に,複素多様体としての分類においては,自己同型群またはそのリー環である正則ベクトル場全体が重要な役割を果たすことを観察した.Bott towerを一般化したものとして,幾つかの単体の直積となる単純凸多面体上のquasi-toric多様体があるが,このような多様体の分類をD.Y.Suh氏と共同で進めている.
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Research Products
(4 results)